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伝習会 第31回

伝習会

〈 第三十一回 〉

一飯(いっぱん)(とく)にも(かなら)(つぐな)い、睚眦(がいさい)(うら)みにも(かなら)(むく)ゆ】 …史記

 (訳…一度飯を恵んで貰った僅かな恩にも必ずお返しをし、一寸にらみ付けられ

    たくらいの些細な怨みにも必ず仕返しをする)

~ これは、(しん)の国の范睢(はんしょ)という宰相が自らこれを実行した言葉です。

 この場合の【徳】は“”です。人から受けた恩を忘れないことは、人間

 としてとても大切なことです。ところが、范睢(はんしょ)は一寸(にら)まれたくらいの(うら)

 みにたいしても、必ず仕返しをしたそうです。そこまでするかと思います

 が、こういう人間も居るということを心得ていた方が良いかも知れません。

 自分では忘れていても、受けた方は決して忘れることが無きにしも非ず、

 ですから注意するにこしたことはありませんね。

  老子は(うら)みに(むく)いるに(とく)()ってす】といっております。老子は、

 自分が、人からひどい仕打ちや怨みを受けても【徳】寛容”や“善意”

 の精神を以って対応しなさい。そうすれば、人間関係も上手くいくし、ま

 た相手の心を和らげることも出来ると言っています。

   確かにそうかも知れませんが、こういう対応が出来る人は、余程、出

  来た人間でないと無理かも知れません。

    それに対して、孔子は、論語憲問篇第十四で次のように言っています。

  (ちょく)()って(うら)みに(むく)い、(とく)()って(とく)(むく)ゆ】と。

  孔子は、怨みには【直】、いわゆる是は是、非は非で報い、善意には【徳】、

 善意・寛容を以って報いなさい、といっています。老子は、【怨み】に対しても【徳】をもって報いなさい、と言うが、孔子は、卑劣な人間に対して卑屈になることもないし、そんな聖人君子になる必要もない、是々非々で対応すべきと言った訳です。皆さん、どちらにしても人から怨まれて得なことは一つもありません。避けるに越したことはないでしょうね。~

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