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伝習会 第36回 

伝習会

〈 第三十六回 〉

赤心(せきしん)()して、(ひと)腹中(ふくちゅう)()く】……後漢書(ごかんじょ)

  (訳…赤心(せきしん)は、うそ、偽りのない心。そういう真心、誠意をもって相手の懐に飛

    び込んで、人に接すること。分け隔てをしないことの意)

~  秦の『始皇帝(しこうてい)』が中国全土を統一(B.C221年)したが、僅か15年で

 滅亡しました。その後、項羽(こうう)劉邦(りゅうほう)楚漢(そかん)(たたか)い】を4年に

 及ぶ戦いの結果、B.C202年に、【劉邦(りゅうほう)】が【項羽(こうう)】を滅ぼし、漢王朝

 を建国しました。しかし、約210年間続いた漢帝国(かんていこく)も、【王莽(おうもう)に王朝

 を簒奪(さんだつ)され、新しく【(しん)王朝の誕生となりました。ここで、漢帝国(こ

 こまでを【前漢】という)は滅亡しましたが、しかし、【(しん)】王朝も、僅か1

 4年で滅亡しました。その後は、【劉秀(りゅうしゅう)(【光武帝(こうぶてい)】)が各地の反乱軍を

 征討して、再び漢帝国を建国しました。これ以後を【後漢(ごかん)】と呼びました。

  【劉秀(りゅうしゅう)】が再興する2年間、鎮圧した反乱軍の兵士を自軍の隊に編入

 しましたが、編入された兵士は、いつ殺されるかと常に怯えていました。

  それを知った【劉秀】は2~3の供を連れ、馬に乗って部隊を巡視して  

 労をねぎらったのです。これを見た兵士が、【劉秀】という将軍は、まさ

 に赤心(せきしん)()して、(ひと)腹中(ふくちゅう)()く】人だと言って、【劉秀】に心服して

 共に戦って行きました。

   この後に【いずくんぞ()(とう)ぜざるをえんや】、どうして我々は【劉秀(りゅうしゅう)

 の為に死ぬことが出来ない事などあろうか。【劉秀】の為なら死もいとわ

 ないと言って、【劉秀】の後漢王朝誕生(A.D25年)に貢献したというと

 ころからの名言です。人の信頼を得る為に、【】思いやり、【】誠意、

 真心、【礼】礼節、【勇】勇気、などの【徳】を身に付けることが如何に大

切かという故事ではないでしょうか。~

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